この記事でわかること:40代の転職で、年齢はどのくらい影響するのか/面接官が「採用した理由」と「見送った理由」/ベテランの足かせになりやすい、たった一つのこと/「突出してできることがない」と思う人の、強みの見つけ方

年齢だけで、不採用にはしません。——40代の看護師さんを採用し、いまも一緒に働いている面接官の本音です。

「40代からの転職なんて、もう遅いのでは」「若い人のほうが採用されるに決まっている」。そう思って、一歩を踏み出せずにいる看護師さんは多いと思います。

私は看護師として働きながら、採用担当として面接をしています。40代の看護師さんを面接し、採用し、いまも一緒に働いています。この記事では、採用する側が40代の方のどこを見ているのかを、正直にお伝えします。

この記事を読むとわかること

  • ✅ 40代の転職で、年齢はどのくらい影響するのか
  • ✅ 面接官が「採用した理由」と「見送った理由」
  • ✅ ベテランの足かせになりやすい、たった一つのこと
  • ✅ 「突出してできることがない」と思う人の、強みの見つけ方

結論|年齢だけで不採用にはしません

最初に結論をお伝えします。

私は、年齢だけを理由に不採用にすることはありません。年齢が判断に影響するのは、私の感覚では1〜2割ほどです。

ただ、正直にお伝えすると、50歳に近づくにつれて、新しいことを覚えるのに時間がかかる方もいます。そのため「私の職場の業務をこなせそうか」は、判断の目安の一つにしています。

残りの8〜9割で見ているのは、これまでの経験と、人柄です。

面接官が40代の方の書類・面接で見ていること

まず知りたいのは「どんな看護経験を積んできたか」

40代の方の履歴書や職務経歴書を見るとき、そして面接で、私がまず知りたいのは「どんな看護経験を積んできたのか」です。

どんな職場で、どんな患者さんを看てきたのか。何が得意なのか。それがわかると、私の職場で働く姿を思い浮かべやすくなります。

職務経歴書の書き方は、こちらで詳しくお伝えしています。
→ 看護師の職務経歴書の書き方|Wordテンプレート無料・例文つき

40代だから聞く、という質問はありません

「40代だと、意地悪な質問をされるのでは」と心配する方もいるかもしれません。

でも、40代の方だけに聞く質問はありません。私は面接に来たすべての方に、同じ質問をしています。そのうえで、答えの内容によっては、もう少し詳しく聞いていくことがあります。

面接でよく聞かれる質問は、こちらにまとめています。
→ 【例文あり】看護師の面接でよく聞かれる質問と答え方15選

面接官が「採用した理由」と「見送った理由」

採用した理由

私が40代の方を採用したときに確認していたのは、次の3つです。

  • これまでの経験が豊富か
  • 私の職場の業務を、問題なくこなせそうか
  • 人柄に問題がないか

この3つをクリアした方を、採用しました。

見送った理由

一方で、採用を見送った方もいます。理由は次のようなことでした。

  • 人柄が、私の職場と合わなかった
  • 経験値が、私の職場が求めるレベルに届いていなかった

どちらも、年齢そのものが理由ではありません。

採用する側が心配していること

40代の方の採用で、採用する側が心配しやすいことも、正直にお伝えしておきます。

  • 体力面:特に急性期や夜勤の多い職場では、体力が続くかを心配されることがあります
  • 指導のしにくさ:自分より年上の方を、若いリーダーや師長が指導しにくいことがあります
  • 給与:経験年数に応じた給与にすると、人件費が高くなる職場もあります
  • 新しいやり方への慣れ:前の職場のやり方にこだわるのでは、と心配されることがあります

中でも私が一番気にしているのは、最後の「前の職場のやり方を持ち込まないか」です。これについては、このあと詳しくお話しします。

一緒に働いてわかった、ベテランの強みと苦労

ベテランの強み|何が起きても、動揺せずに対処できる

40代の看護師さんと一緒に働いて感じるのは、何か起きたときに動揺せず、落ち着いて対処できることです。

そして、リスク管理を日々、自然に考えられるのも、ベテランならではの強みです。若いスタッフが意識して身につけていくことを、当たり前のようにできている。これは、長く現場に立ってきた人にしかない力だと思います。

入職後に苦労していたこと|電子カルテ

一方で、入職後に苦労されていたのは、電子カルテに慣れることでした。慣れるまでに少し時間がかかっていました。

職場ごとにシステムは違うので、これは誰でも通る道です。最初は戸惑っても、焦らなくて大丈夫です。

入職後の過ごし方は、こちらの記事でまとめています。
→ 転職後になじむコツ|入職後3ヶ月で信頼を得る方法

ベテランの足かせになるのは「わたしはできます」オーラ

40代の方は、さまざまな経験を積んできています。だからこそ、「自分はできる」と思い込んでしまうことがあります。そして、それが足かせになることがあります。

新しい職場では、どんなベテランでも「新人」です。そこで「わたしはできます」というオーラを出されると、周りのスタッフは教えづらく、仕事もお願いしづらくなります。

その結果、ご本人も仕事の幅を広げられず、損をしてしまいます。

やはり大切なのは、人柄です。低姿勢で、学ぶ姿勢があれば、ベテランの方でも十分に転職でき、活躍できます。

面接では「これまでの経験を活かしながら、こちらのやり方をしっかり学ばせていただきたいと思っています」と伝えられると、採用する側は安心します。

40代は「職場を選びながら挑戦できる」タイミング

50代になると、職場を探すときに、条件を並べて選ぶことがなかなか難しくなってきます。だからこそ、40代での転職は、職場を選びながらチャレンジできる、ラストチャンスと言ってもいいと私は思います。

40代は、経験を積み、まさに脂が乗っている時期です。対応力は20代と比べると全然違い、安心して患者さんの対応をお任せできます。

即戦力がほしい病院は、たくさんあります。しっかりアピールすれば、「採用したい」と思う病院もたくさんあります。

転職活動を始める前に、次のことを整理しておきましょう。

  • これまでの経験から見える、自分の強みと弱み
  • 自分が優先したい条件
  • ワークライフバランス(仕事と生活のバランス)

これらをしっかり把握したうえで転職活動をすると、自分に合った職場が見つかると思います。

強みと弱みの整理のしかたは、こちらの記事でお伝えしています。
→ 看護師の自己分析|強み・弱みの見つけ方とTCL分析

「突出してできることがない」と思っているあなたへ

「なんとなく、今の職場に20年以上いる」
「なんとなく転職を重ねてきて、積極的に業務をしてこなかった」
「日々の業務に追われて、突出してできることもない」

そうやって、自分のしてきた経験に引け目を感じている看護師さんも多いかもしれません。

でも、看護の現場に身を置いてきたこと。それだけで、十分に価値があります。

毎日患者さんと向き合い、対応してきたこと。なんとなく過ごしてきたと思っている日々の中にも、大変なことがたくさんあったはずです。その大変なことから逃げなかったこと、毎日対応してきたことを、因数分解してみてください。

  • 自分は、どんなことが大変だったのか。どう乗り越えてきたのか
  • 後輩指導は、得意か、苦手か
  • どんな業務が得意で、何が苦手か
  • 「採血やルート確保は得意です」のように、手技で自信のあるものはあるか

何気ない業務の中に、ヒントはたくさん隠れています。もう一度、自分の日々の業務に目を向けて、振り返ってみてください。

40代が歓迎されやすい職場と、お給料のこと

経験が評価されやすい職場

40代の経験が評価されやすい職場には、次のようなところがあります。

  • 訪問看護ステーション:一人で判断・対応できる経験豊富な看護師が重宝されます
  • 介護施設・老健:経験豊富なスタッフが重宝されます
  • クリニック:患者さんと長く関係を築く職場では、コミュニケーション力の高い経験者が評価されます
  • 健診センター:安定した業務の進め方と、患者さんへの対応力が評価されます

職場タイプごとの違いは、こちらで比べています。
→ 病院・クリニック・施設・訪問看護の働き方比較

お給料は、今と同じとは限りません

正直にお伝えすると、40代の転職では、今と同じ給与水準を保つのは難しい場合があります。

ただ、目先のお給料だけでなく、「これから長く働き続けられる環境か」という視点も持ってみてください。

まとめ|残りの看護人生を、あなたらしく

  • 年齢だけで不採用にはしません。年齢の影響は、私の感覚で1〜2割ほど
  • 面接官が見ているのは、これまでの経験・業務をこなせそうか・人柄
  • 足かせになるのは「わたしはできます」オーラ。低姿勢で学ぶ姿勢があれば、ベテランでも十分に転職でき、活躍できる
  • 40代は、職場を選びながら挑戦できるタイミング
  • 「突出したものがない」と思っても、日々の業務を因数分解すれば、強みは見つかる

体力も少しずつ落ちてきて、これからの10〜20年の看護人生をどう過ごしたいか。看護人生の折り返し地点は、このあとどんな職場で、どんな看護がしてみたいかを考える、よい機会になると思います。

これまで業務に忙殺されて、看護師が嫌になった瞬間もあったと思います。でも、看護師になったころは希望に満ちあふれていた。「こんな看護がしたい」という強い思いも、忙しさにつぶされてきたのではないでしょうか。

あなたの残りの看護人生が後悔のないものになり、あなたらしい看護ができる、素敵な時間になるよう、応援しています。

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ABOUT ME
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Nana
看護師として急性期病院の病棟で10年以上勤務した後、採用担当者・現役面接官としてたくさんの看護師さんを面接してきました。 長い夜勤の疲労、緊急入院が次々と続く終わらない業務、うまくいかない人間関係、そして現場の声に耳を傾けてくれない上層部——「もう限界かも、辞めたい」と感じる日々が、私にも何度もありました。 休憩室では、いつも誰かが転職の話をしていました。先輩も、同期も、後輩も。「次どこ受けようか」「あの病院、働きやすい?給料はどう?」——それが看護師の日常でした。辞めたい気持ちは、弱さでも甘えでもない。現場で働く看護師なら誰もが一度は抱く、ごく自然な感情だと、私は思っています。 だからこそ、転職を考える看護師さんの「怖い」「迷っている」「でも一歩踏み出したい」という気持ちが、心からわかります。 現在は採用担当者として多くの看護師さんの採用に携わった経験をもとに、面接官だからこそ知っている採用のリアルをお届けしています。このブログが、あなたの転職の一歩を後押しし、より明るく幸せな未来へとつながるお手伝いができれば嬉しいです。