「お迎えの時間に間に合うかな」「子どもが急に熱を出して休んだら、迷惑がられないかな」——子育てをしながら働く看護師さんは、いつもこんな心配と隣り合わせで綱渡りの毎日ですよね。そのうえ転職となると「子どもがいると採用されにくいのでは」という不安も重なります。

でも、安心してください。採用担当者として多くのママさん看護師を見てきた立場から正直に言うと、「職場の選び方」と「面接での伝え方」を知っていれば、子育て中でも納得のいく転職は十分にできます。この記事で、そのコツを具体的にお伝えします。

採用担当者が本音で語る「子育て中の看護師」への印象

子育て中の看護師さんが転職活動で心配することの一つが「子供がいると採用に不利では?」という不安です。採用担当者として正直にお伝えします。

確かに、「急な欠勤が増えるのでは」「夜勤に入れないのでは」という懸念を持つ採用担当者はいます。しかし多くの職場では、子育て経験のある看護師は患者さんへの共感力が高く、チームへの貢献度も高いという評価をしています。子育てをネガティブに捉える必要はありません。

大切なのは「子供がいること」を隠すのではなく、「どういう条件なら安定して働けるか」を明確に伝えることです。

実際にあった例を一つ。以前、3歳のお子さんを育てながら応募してきた看護師さんがいました。面接で「まだ時々風邪をひいたり保育園をお休みすることもあるのですが、急な休みに備えて実家の母がすぐ来てくれる体制を整えています。できるだけご迷惑をおかけせずに、即戦力として貢献したいです」と、できる限りのサポート体制を整えてくれていることを話してくれました。その正直さと前向きさが決め手になり、採用。今ではチームに欠かせない存在です。

子育て中であることは、伝え方しだいで「不安要素」ではなく「信頼」に変わります。

サポートしてくれる家族が近くにいない方も多いですよね。実家が遠方で頼れる親族もいない、夫は単身赴任や出張の多い仕事で急に休みを代わってもらえない、シングルマザーで一人で育てている——そうした状況の方も、もちろん転職できます。大切なのは「サポートがあるかどうか」よりも、「自分なりにどう備えているか」を伝えることです。

実際に、こんな方がいました。実家は遠方で頼れる親族もおらず、ご主人も営業職で急な休みを代わるのが難しい、という看護師さんです。面接でこう話してくれました。「病児保育を3か所、病児シッターも登録しているので、どこかしらには預けられると思います。預け先によっては少し遅刻してしまう日があるかもしれませんが、できる限り出勤できる体制を整えて、ご迷惑をおかけしないようにします」と。

完璧ではなくても、自分にできる準備を精一杯整えている——その真摯な姿勢から、真面目さや謙虚さ、人柄が伝わってきて、とても好印象でした。

採用担当者として、大前提として、子どもは熱を出すものですし、お休みが必要になるのは当然のことだと理解しています。それでも正直にお伝えすると、「子どもがいるんだから、休むのは仕方ないですよね?」という気持ちが前面に出てしまうと、採用に踏み切りにくくなります。同じ「休む可能性がある」でも、"自分なりの備えと、周りへの配慮が見える人"は、安心して迎えられるのです。

子育て中の看護師が転職先を選ぶ際の優先チェックポイント

① 夜勤の有無・頻度

子育て中の最大の関心事の一つが夜勤です。「夜勤なし」が希望なのか、「月数回なら可能」なのかをまず自分の中で整理しておきましょう。採用担当者として、夜勤の可否は最初の面接で必ず確認します。曖昧な答えは後でトラブルになるため、自分の状況を正直に伝えることが大切です。

② 急な休みへの対応文化

子供が急病になった際に休みやすい職場かどうかは、入職後の働きやすさに直結します。採用担当者として、職場見学や面接の場で「お子さんが急病の際はどのくらいのスタッフが利用していますか?」と聞くことは全く問題ありません。

「子供の急病でも休みにくい雰囲気」がある職場は、子育て中の看護師が長く働けない職場です。実際に子育て中のスタッフが在籍しているかどうかも確認ポイントになります。

③ 保育施設・託児所の有無

病院・施設によっては院内保育所や提携保育施設を持っているところがあります。採用担当者として、この制度は子育て中の看護師採用において大きなアドバンテージになります。「保育施設はありますか?何歳まで対象ですか?」を確認しましょう。

④ 短時間正社員・時短勤務制度・子の看護休暇

育児中の時短勤務が取得しやすい職場かどうかも重要です。採用担当者として、「育児時短勤務の実績はありますか?何歳まで取得できますか?」と具体的に確認してください。制度があっても「取りにくい職場文化」である場合もあるため、実績(実際に取得しているスタッフの数)まで確認するのがポイントです。子の看護休暇は医療施設によって有給・無給がありますので確認できると良いです。

⑤ 通勤時間・距離

子育て中は子供の送迎・急な体調不良への対応が必要なため、通勤時間は短いほど良いです。採用担当者として、遠距離通勤の方が子供の急病で早退・欠勤しなければならない場面で大変な思いをするケースを見てきました。「職場と保育園・学校の距離感」も含めた通勤ルートの確認をおすすめします。

全部は叶わない|条件に優先順位をつけるコツ

「夜勤なし・家から近い・お給料も下げたくない」——気持ちはよく分かります。でも、すべてを完璧に満たす職場はなかなかありません。だからこそ、転職がうまくいく人は「何を最優先するか」を先に決めておくことがおすすめです。

おすすめは、条件を3つに仕分けることです。

  • 絶対に譲れない(例:夜勤なし、お迎えに間に合う勤務時間)
  • できれば叶えたい(例:通勤30分以内、賞与あり)
  • 妥協できる(例:今は給与が少し下がっても、生活リズムを優先)

採用担当者として見ても、優先順位がはっきりしている人ほど面接の受け答えに迷いがなく、入職後のミスマッチも起きにくいです。まずは「今の自分にとって何が一番大事か」を紙に書き出すことから始めてみましょう。

面接での伝え方|子育て中であることをどう話すか

子供がいることは正直に伝える

採用担当者として、子供がいることを隠して入職しても、後から発覚したとき(急な欠勤・夜勤対応の際)に信頼関係が崩れます。最初から正直に伝えた方が、お互いにとって良い結果になります。

「できること」を明確に伝える

子育て中だからといって「できないこと」ばかり伝えるのはNGです。採用担当者として印象が良いのは、「できること・できないこと」を整理して、前向きに伝えられる方です。

例:「夜勤は月2回までであれば対応可能です。急な欠勤の際はできる限り早めに連絡し、シフト調整に協力します。子供が小学校に入る〇年後には夜勤回数を増やすことも可能です」

「今はこの条件、将来はこう変わる」という見通しを示せると、採用担当者としては計画性があり安心感を覚えます。

サポート体制を伝える

「配偶者がいる」「実家が近い」「ファミリーサポートを活用している」など、育児のサポート体制を具体的に伝えることも有効です。採用担当者として、「急な欠勤が続きそう」という懸念を払拭するための情報として、サポート体制の説明は好印象につながります。

子育て中の看護師に向いている職場タイプ

職場タイプ子育て中のメリット注意点
クリニック日勤のみ・残業少・土日休みが多い少人数のため急病休みが周囲に影響しやすい
デイサービス日勤のみ・夜勤なし給与が低め・医療処置が少ない
院内保育所付き病院保育コスト削減・通勤と保育が一体化夜勤ありの場合も多い
健診センター日勤・土日休み・残業少求人数が限られる
訪問看護日勤のみが多いオンコール・一人対応が必要な場合がある

職場タイプごとの働き方は病院・クリニック・施設・訪問看護の働き方比較でさらに詳しく解説しています。夜勤を避けたい方は夜勤なし・日勤のみで働ける職場の探し方も参考にしてください。

まとめ|子育て中の転職は「条件の明確化」と「正直な伝え方」で成功する

採用担当者として、子育て中の看護師さんを何人も採用してきました。子育てをしながら看護師として働き続けることは、決して「迷惑をかけること」ではありません。職場全体にとって、育児経験を持つ看護師の存在は大きな財産です。

自分の条件を明確にし、正直に伝え、自分と職場の両方にとっていい選択をしてください。子育て中であることを強みとして転職活動に臨んでいただければと思います。

一人で探すのが不安なら、転職エージェントに相談するのも手です。子育て中の看護師向けの求人情報も豊富に揃えてくれています。採用担当者目線での選び方は看護師転職エージェント徹底比較まとめにまとめています。

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Nana
看護師として急性期病院の病棟で10年以上勤務した後、採用担当者・現役面接官としてたくさんの看護師さんを面接してきました。 長い夜勤の疲労、緊急入院が次々と続く終わらない業務、うまくいかない人間関係、そして現場の声に耳を傾けてくれない上層部——「もう限界かも、辞めたい」と感じる日々が、私にも何度もありました。 休憩室では、いつも誰かが転職の話をしていました。先輩も、同期も、後輩も。「次どこ受けようか」「あの病院、働きやすい?給料はどう?」——それが看護師の日常でした。辞めたい気持ちは、弱さでも甘えでもない。現場で働く看護師なら誰もが一度は抱く、ごく自然な感情だと、私は思っています。 だからこそ、転職を考える看護師さんの「怖い」「迷っている」「でも一歩踏み出したい」という気持ちが、心からわかります。 現在は採用担当者として多くの看護師さんの採用に携わった経験をもとに、面接官だからこそ知っている採用のリアルをお届けしています。このブログが、あなたの転職の一歩を後押しし、より明るく幸せな未来へとつながるお手伝いができれば嬉しいです。