看護師の秋転職|9月・10月が狙い目な理由と採用担当者が教える進め方
「転職するなら春」と思っていませんか。
たしかに求人がいちばん多いのは1〜3月です。ただ、採用する側から見ると、秋は春に次ぐ「第2の山」です。しかも春とは求人の出方がまったく違うため、知っておくと動きやすくなります。
この記事では、採用担当者として秋の採用に関わってきた立場から、秋の求人がなぜ出るのか、面接で何を聞かれるのか、そして「来年4月の入職」を考えている方が今やるべきことをお伝えします。
秋(9〜11月)の看護師求人はどう動くか
秋の求人には、大きく2つの流れがあります。
- 9月前後:夏のボーナス後に退職した人の欠員補充。10月入職を目指す求人が集中します
- 10〜11月:翌年4月の新年度に向けて、早めに人員を確保しておきたい病院の動き
春の求人が「計画的に、一斉に」出るのに対し、秋の求人は必要に迫られて出るのが特徴です。年間の求人の増え方は転職しやすい時期|採用担当者が明かす求人の増え方で詳しくまとめています。
採用担当者の視点|秋の求人が出る「本当の理由」
秋に募集をかけるとき、採用側の事情はだいたい次のどれかです。
① 急な欠員が出た
看護師はやはり女性が多い職場です。妊娠・出産、ご家族の事情などで、急に人員が減ってしまうことはよくあります。こうした欠員は計画的に埋められないため、「早く来てくれる人」を探すことになります。
② 春に入職した人が、試用期間中に辞めた
4月に入職した方が、半年ほどの試用期間の中で「やっぱり合わない」と退職されることがあります。その補充が、ちょうど秋に出てきます。
③ 1年目のスタッフが、夏を越えて力尽きてしまった
総合病院では、夏前後から1年目のスタッフが夜勤に入り始めます。仕事量も責任の重さも一気に増える時期で、ここで辞めてしまうスタッフも時々いました。その穴を埋める募集が、秋に出ます。
④ 来年度に向けた早めの確保
4月入職の募集を待つのではなく、良い人がいれば秋のうちに採っておきたい、という病院もあります。
つまり秋の求人は、「すぐ来てほしい」か「良い人なら早めに押さえたい」のどちらか。どちらの場合も、応募者にとっては春より競争が少なく、決まるのが早いというメリットがあります。
秋転職の3つのメリット
1. 求人が春に次いで多い
春ほどではありませんが、9〜11月は明確に求人が増える時期です。
2. 応募者が春より少ない
「転職は春」と考えている人が多いぶん、同じ求人に応募する人数が春より少なくなりがちです。
3. 年末年始の繁忙期の前に慣れられる
10月入職なら、インフルエンザの流行や年末年始の忙しさが来る前に、ある程度職場に慣れることができます。
秋転職の注意点|総合病院とクリニックで大きく違う
ここは正直にお伝えします。年度途中の入職は、職場によって負担がまったく違います。
クリニックの場合:春でも秋でも、入職時期による苦労はそれほど変わりません。もともと少人数で、研修も個別に進むためです。
総合病院の場合:ここが大きく違います。
春(4月)入職なら、病院全体の研修が4月から始まります。病院のシステムや各部署の役割をきちんと理解する機会があり、何より同期がいるのは心強いものです。
一方、秋からの入職では即戦力を求められます。数回のシャドーイング(先輩について回る期間)のあと、すぐに患者さんの受け持ちを持ち、業務の負荷もどんどん上げられていきます。同期もいません。
総合病院への秋の転職を考えるなら、この違いを知ったうえで、「自分は今、ある程度ひとりで動ける状態か」を確認しておいてください。逆に言えば、経験のある方にとっては実力を早く発揮できるチャンスでもあります。
面接で必ず聞かれる「なぜ年度の途中で?」
年度途中の応募では、この質問はほぼ確実に聞かれます。ここでの答え方で、評価が大きく分かれます。
NG例
「仕事量が増えて、働き方と合わないと思ったので」
正直なところは、おそらくこれで合っているのだと思います。でも、これだけでは足りません。面接官に「それは仕方ないね」と思ってもらえる具体的な説明が必要です。
私が実際にする質問
この答えを聞いたとき、私は必ずこう質問します。
「委員会などは任されていませんでしたか? その辺りの引き継ぎはどうされましたか?」
ここで評価が分かれます。
年度途中で辞めるということは、担当していた役割を誰かに渡すということです。「なぜ辞めたか」ももちろん大事ですが、それと同じくらい、「辞めるときに、責任をきちんと果たせる人かどうか」を採用側は見ています。ここが曖昧な方は、「うちを辞めるときも同じことをするのだろうな」と思われてしまいます。
OK例
「3年目から急性期病棟でリーダー業務を任されるようになりました。ただ、4年目以上の先輩がほとんどいない状態で、判断に迷ったときに相談できる相手がいないまま進めなければならない場面が増えていきました。自分の判断に根拠を持てるようになりたいと考えたことが、転職を考えたきっかけです。
年度途中での退職になるため、担当していた感染対策委員会の記録と年間の計画は年度末まで使える形に整理し、後任の方への申し送りを済ませたうえで、退職のご相談をしました。
次の職場では、経験のある先輩方のもとで、一つひとつの判断の根拠を確かめながら力をつけていきたいと考えています」
この答えが良いのは、次の4点が揃っているからです。
- リーダーを任されていた=職場から評価されていた人だと伝わる
- 辞めたい理由が「自分の能力不足」でも「職場の悪口」でもない。事実を述べているだけで、批判になっていない
- 次にやりたいこと(先輩のもとで根拠を持てるようになる)が、辞める理由と一直線につながっている
- 引き継ぎまで済ませている
お気づきかもしれませんが、このOK例とNG例は同じ人の「言い方の違い」でもあります。「仕事量が増えて働き方が合わない」と一言で片づけてしまった方が、実はこれだけの背景を持っていた、ということは珍しくありません。もったいないのです。
なお、1〜2年目でまだ委員会や係を任されていない場合は、無理に役割の話をする必要はありません。受け持っていた患者さんの情報をどう申し送ったか、日々の記録をどう整えたかを具体的に話せれば十分です。大切なのは役割の大きさではなく、最後まで丁寧に引き継ごうとしたかどうかです。
面接前に、次の2つは必ず整理しておいてください。
- 担当していた委員会・係・プリセプターなどの役割
- それをどう引き継いだか(または引き継ぐ予定か)
転職理由の伝え方そのものについては、「転職理由」の答え方|面接官に刺さるNG例・OK例でさらに詳しく解説しています。
秋転職スケジュール早見表
| 時期 | やること |
|---|---|
| 9月 | 情報収集・自己分析・書類の準備。エージェント登録。欠員補充の急募が出始めます |
| 10月 | 応募・面接の本番。年内入職を狙うならこの時期です |
| 11月 | 内定・条件の確認。冬のボーナスをもらうなら、退職日を慎重に調整 |
| 12月 | ボーナス支給後に退職交渉。3月末退職を目指すなら、この時期に意思を伝えます |
| 1月 | 4月入職の求人が本格化。ここから最需要期に入ります |
実は「来年4月入職」を狙う人にも、秋が始めどき
ここが一番お伝えしたいことです。
4月入職の求人が本格的に出るのは、1〜2月です。ではその時期から動けばいいかというと、そうではありません。求人が出てから自己分析を始めて、職務経歴書を書いて……では間に合わないのです。
いちばん良い求人ほど早く決まります。だからこそ、秋のうちに「準備だけ」を済ませておくのが賢い動き方です。
秋のうちにやっておきたいことは、次の3つです。
- 自分の強み・弱みを整理しておく
- 職務経歴書を書き上げておく(応募先に合わせて微調整するだけの状態に)
- 転職エージェントに登録し、希望を伝えておく
こうしておけば、1月に良い求人が出た瞬間に応募できます。「今すぐ転職する気はないけれど、来年は動きたい」という方こそ、秋が始めどきです。
まとめ|秋は「急ぐ人」にも「来春に備える人」にも良い季節
- 秋(9〜11月)は春に次ぐ求人の山。欠員補充が中心で、決まるのが早い
- 総合病院の年度途中入職は即戦力を求められる。クリニックは時期による差が小さい
- 「なぜ年度の途中で?」には、理由の具体性と引き継ぎへの配慮をセットで答える
- 来年4月入職を狙う人も、秋のうちに準備を終えておくと圧倒的に有利
季節ごとの転職については、看護師の夏転職は実は「狙い目」もあわせてご覧ください。転職全体の流れをつかみたい方は【看護師転職 完全まとめ】採用担当者が教える転職成功の全ステップが参考になります。
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