合否を決めているのは、担当者ではなく、あなたの経験です。

「担当者とどうも合わない」「このまま進めて、不利にならないだろうか」——転職エージェントを使っていると、そんな不安を感じることがあると思います。

私は看護師として働きながら、採用面接をする側にいます。エージェント経由で入職された方も、たくさん見てきました。

先にお伝えすると、担当者が合わないことで、あなたの合否が大きく変わることはあまりありません。

でも、入ってから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないかどうかは、エージェントの使い方で大きく変わります。

この記事では、採用側から見えている景色と、私自身がエージェントを使ったときの体験をお伝えします。

この記事を読むとわかること

  • 担当者が合わないと、選考で不利になる?
  • 採用側に届く推薦文の、本当のところ
  • エージェントを使う本当の価値(面接官の実体験)
  • 合わないと感じたときの選択肢

【面接官の本音】担当者が合わないと、選考で不利になりますか

合否を決めているのは、あなたの経験と年齢です

採用する側は、書類選考の時点で、ある程度の判断をしています。見ているのは——

  • 急性期病院での経験があるか
  • 看護師としての経験年数
  • どの科目で働いてきたか
  • 年齢

といった、あなた自身のこれまでです。

担当者の質で、合否まで変わることは少ない

ですから、担当者の質によって合否まで大きく変わることは、少ないと思います。「合わない担当者のせいで落ちるのでは」と心配する必要は、あまりありません。

だから、合わない担当者に気を遣って我慢しなくていい

これは裏を返すと、担当者と合わないと感じたら、無理に我慢しなくていいということです。

担当者に気を遣って、言いたいことを飲み込んだまま転職活動を続けるほうが、よほどもったいない。合わないなら、選択肢はあります(このあとお伝えします)。

【面接官の本音】採用側に届く推薦文は、だいたい同じです

エージェント経由で応募があると、採用側には担当者からの推薦文が届きます。実際にどんな文章が届くのかは、転職サイト「登録だけ」は大丈夫?転職は職場にバレる?で紹介しています。

推薦文には、テンプレートがあるのではと感じています

正直にお伝えすると、届く推薦文はだいたい同じような内容です。エージェント側に、紹介文のテンプレートがあるのではないかと思っています。

熱量が伝わってくることはあります

それでも、熱のある担当者の推薦文には、「熱量がのっているな」と感じることはあります。

でも「薄いから落とす」ということはありません

一方で、「この推薦文は薄いな」と感じることはありません。

もし内容が薄く見えたとしても、それが担当者の問題なのか、応募者の方の問題なのか、採用側からは判断しにくいのです。推薦文の出来だけで、あなたが評価されることはないと考えてください。

【面接官の実話】エージェントの本当の価値は「入ってからの後悔」を減らせること

合否はエージェントで変わりにくい。では、エージェントを使う意味はどこにあるのか。私自身が転職でエージェントを使ったときの体験からお伝えします。

担当者は、病院の「内部事情」まで知っていました

いちばん驚いたのは、担当者が病院の中のことまで知っていたことです。

当時、私は大きな急性期病院に勤めていました。その担当者は、私の勤め先の内部事情まで知っていたのです。同じ病院の看護師さんがたくさんそのサービスに登録していて、いろいろな話をしているからでした。

ということは、他の病院の内部事情も、同じように知っているということです。実際、こんなことを教えてくれました。

でも実は委員会活動が時間外ですることもあるそうで、委員会に入ると大変だとおっしゃっていた看護師さんもいらっしゃいます

あちらの病院は看護研究は希望者だけなので、毎年病棟の誰かがやるということはないようです

求人票には、書かないことがあります

こうした情報は、求人票からは絶対に分かりません。

求人票づくりに関わる立場から言うと、求人票にはすべてを書くわけではありません(くわしくは求人票の読み方|面接官が教える見抜き方と、印象を下げない「聞き方」で書いています)。その足りない部分を補ってくれるのが、エージェントの一番の価値だと、私は思っています。

入職してから「委員会がこんなに大変だとは思わなかった」と気づくのと、入る前に知っているのとでは、まったく違います。

面接に一緒に来てくれた心強さ

担当者は、条件に合う職場を探してくれただけでなく、面接にも一緒に来てくれました。一人で行くつもりだったので、これは想像以上に心強いものでした。

担当者が合わないと感じたときの選択肢

担当者の変更をお願いする

はじめにお伝えしたとおり、担当者の質で合否が大きく変わることは少ないので、合わない担当者に遠慮して我慢し続ける必要はありません。担当者の変更ができるか、サービスに問い合わせてみてください。

別のエージェントも使ってみる

担当者との相性はあります。ひとつのサービスだけに絞らず、別のエージェントも使ってみると、自分に合う担当者に出会えることがあります。

担当者がつかない方法で、自分で探す

「そもそも担当者とやり取りするのが負担」と感じる場合は、担当者がつかないタイプの求人サイトで、自分で探す方法もあります。自分のペースで求人を見られるので、情報収集の段階にも向いています。連絡のペースが負担な方は転職サイトを「しつこい」と感じる看護師へ、まだ登録を迷っている方は転職サイト「登録だけ」は大丈夫?もあわせてご覧ください。

どれか一つが正解ということはありません。今のあなたに合う方法を選んでください。

転職エージェントの仕組み|急かされる理由

エージェントは、採用側から報酬を受け取っています

転職エージェントは、あなたが入職した職場から紹介手数料を受け取る仕組みです。つまりエージェントは、あなたの味方であると同時に、採用する側のビジネスパートナーでもあります。この構造を知ったうえで付き合うと、担当者との距離感がつかみやすくなります。

エージェントが急かす理由

「早めに決めた方がいいですよ」「この求人は今週中に応募しないと埋まります」——こうした言葉をかけられた経験がある方も多いと思います。

必ずしも嘘ではありませんが、エージェントには「早く決まってほしい」という事情があるのも事実です。焦らされても、自分のペースで判断することが大切です。

転職エージェントの正しい使い方|5つのポイント

① 1社だけに絞らず、比べてみる

エージェントによって、扱っている求人は違います。2〜3社を比べると、求人の幅が広がります。

なお、同じ求人に複数のエージェントから重なって応募してしまう心配は、あまりいりません。応募の前には、エージェントから「〇〇病院に面接の依頼をします」と伝えられてから進むので、同じ求人に重ならないよう、自分でコントロールできます。

② 最初の面談で「譲れない条件」をはっきり伝える

「給与は〇〇万円以上」「夜勤は月〇回まで」「〇〇科に行きたい」など、条件と優先順位を具体的に伝えておくと、的外れな求人を紹介される回数が減ります。

③ 書類添削や面接対策も活用する

書類の添削や面接対策といったサポートも、無料で使えます。気軽に活用してみてください。

④ 条件の交渉は、エージェントと相談しながら進める

軽い条件の交渉なら、エージェントを通して進めることができます。条件の交渉は、エージェントと相談しながら進めるのがコツです。

⑤ 最終判断は、自分でする

どれだけ良い担当者でも、実際に働くのはあなたです。「勧められたから」という理由だけで決めず、自分の優先条件と照らし合わせて判断してください。

エージェント活用で「得をする人・損をする人」

得をする人損をする人
条件・希望をはっきり伝えられる「なんでもいい」と丸投げする
求人票に書かれていないことを聞く求人票の情報だけで決めてしまう
複数社を比べて選ぶ1社に頼りきりになる
自分のペースで冷静に判断する急かされて焦って決めてしまう
条件は担当者と相談しながら確認する遠慮して条件を確認しない

まとめ|エージェントの質より、使い方の差が大きい

  • 担当者が合わなくても、合否が大きく変わることは少ない。合否を決めているのは、あなたの経験と年齢
  • 採用側に届く推薦文は、だいたい同じ。「薄いから落とす」ことはない
  • エージェントの本当の価値は、求人票に書かれていない内部事情を教えてもらえること。入ってからの後悔を減らせる
  • 合わないと感じたら、我慢しなくていい。変更をお願いする/別のエージェントを使う/自分で探す、の選択肢がある

採用する側として、エージェント経由の入職者をたくさん見てきた私の結論は、「エージェントの質よりも、エージェントの使い方の差が大きい」ということです。

エージェントは、あなたの転職を助けてくれる道具です。仕組みを知ったうえで、主導権は自分が持ちながら、上手に使ってください。

エージェント経由と直接応募でどう違うのかは、エージェント経由と直接応募、どっちが有利?面接官の答えは「変わりません」で解説しています。

ABOUT ME
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Nana
看護師として急性期病院の病棟で10年以上勤務した後、採用担当者・現役面接官としてたくさんの看護師さんを面接してきました。 長い夜勤の疲労、緊急入院が次々と続く終わらない業務、うまくいかない人間関係、そして現場の声に耳を傾けてくれない上層部——「もう限界かも、辞めたい」と感じる日々が、私にも何度もありました。 休憩室では、いつも誰かが転職の話をしていました。先輩も、同期も、後輩も。「次どこ受けようか」「あの病院、働きやすい?給料はどう?」——それが看護師の日常でした。辞めたい気持ちは、弱さでも甘えでもない。現場で働く看護師なら誰もが一度は抱く、ごく自然な感情だと、私は思っています。 だからこそ、転職を考える看護師さんの「怖い」「迷っている」「でも一歩踏み出したい」という気持ちが、心からわかります。 現在は採用担当者として多くの看護師さんの採用に携わった経験をもとに、面接官だからこそ知っている採用のリアルをお届けしています。このブログが、あなたの転職の一歩を後押しし、より明るく幸せな未来へとつながるお手伝いができれば嬉しいです。