転職回数が多い看護師の書類対策|7回以上でも採用した面接官の本音

採用担当者は「転職回数」をどう見ているのか
「転職回数が多いと、書類で落とされてしまうの?」——転職を繰り返してきた看護師さんから、よくいただく質問です。
採用面接官としてこれまで多くの看護師さんの書類を確認してきた経験から、正直にお伝えします。
結論から言えば、転職回数が多いこと自体は、致命的なマイナスではありません。ただし、書類の書き方・見せ方によって、採用担当者の印象は大きく変わります。
採用担当者が転職回数の多い候補者の書類を見るとき、実際に考えているのはこういうことです。
- 「なぜこんなに転職しているのか?」
- 「うちに来ても、またすぐ辞めるのでは?」
- 「この人を採用して、職場に馴染めるだろうか?」
この3つの疑問を書類の段階で払拭できれば、転職回数が多くても十分に書類選考を通過できます。
転職回数が多い看護師さんの書類で採用担当者が見るポイント
① 転職の「理由の一貫性」があるか
転職理由がバラバラだと、「その場の感情で動く人」という印象を与えてしまいます。一方、「キャリアアップのために専門性を積んできた」「家族の介護で止む得ない事情があった」など、転職の背景に一貫したストーリーがある場合は、むしろ好印象になることもあります。
② 各職場での「在籍期間」はどのくらいか
在籍期間が半年未満ばかりだと、「続かない方かもしれない」という懸念が生まれます。一方、3年以上勤めた職場が複数あれば「じっくり働ける人」という評価につながります。職務経歴書に在籍期間を明確に記載し、在籍が短かった場合はその理由を簡潔に添えましょう。
③ 転職のたびに「何かを得てきたか」
採用担当者が最も評価するのは、「転職の多さ」ではなく、「転職のたびにスキルや経験を積み上げてきた実績」です。急性期→回復期→訪問看護のように、キャリアの変遷を「成長の軌跡」として見せられると、採用担当者の目に止まりやすくなります。
転職回数が多い看護師さんの書類の書き方:実践ポイント
職務経歴書は「経験の棚卸し」として活用する
転職回数が多い場合、職務経歴書は特に重要です。すべての職歴を羅列するだけでなく、各職場で何を経験し、何を身につけたかを具体的に書きましょう。
例えば、このような形です。
| 職場 | 在籍期間 | 得られた経験・スキル |
|---|---|---|
| 急性期病院(ICU) | 3年 | 重症患者の全身管理、モニタリング技術 |
| 回復期リハビリ病院 | 2年 | 患者・家族への退院支援、チームアプローチ |
| 訪問看護ステーション | 1年6ヶ月 | 在宅医療・単独判断力、地域連携 |
こうして書くことで、「転職回数が多い」のではなく「幅広い経験を積んできた看護師さん」として見てもらえます。
志望動機で「転職の締めくくり」を示す
志望動機には、これまでの転職経験を踏まえた上で「なぜ今、この職場なのか」を明確に書くことが大切です。
NG例:「さまざまな職場で経験を積んできました。貴院でも貢献したいと思います。」
OK例:「急性期・回復期・在宅と幅広い現場を経験する中で、患者さんの生活全体を支える看護の大切さを学びました。貴院が力を入れている退院支援・在宅復帰支援に、これまでの経験を活かしたいと考え、志望しました。」
ポイントは「過去の経験→今の志望理由」という流れを作ることです。転職回数の多さが、かえって「多様な現場を知っている強み」に変わります。
在籍期間が短い職場は「理由を一言添える」
1年未満で退職した職場がある場合、何も書かないよりも一言添える方が採用担当者への印象はよくなります。たとえば:
- 「家族の介護のため退職」
- 「病院の閉院に伴い退職」
- 「体調回復後、再就職を目指すため退職」
事情があって短期間になったことを正直に伝える方が、採用担当者からの信頼を得やすくなります。
【面接官の実話】7〜8回転職した方を、私は採用しました
転職回数の多さで悩んでいる方に、まずお伝えしたいことがあります。
私はこれまで、7〜8回転職してこられた方を採用しています。その方は今も働いています。
決め手になったのは「働いてきたエピソード」
面接でその方が話してくれたのは、どの職場でも、いつも真面目に看護に向き合って働いてきたというエピソードでした。職場ごとに何をして、何を感じてきたのか。それが具体的に語られたので、「この方は、うちでも同じように働いてくれる」と思えました。
そしてもう一つ。在籍期間が、短いところでも1年半以上あったこと。これで「そこまでのマイナスではないな」と判断できました。
私が見送るのは、こういう書類です
正直にお伝えします。半年以内で辞めることを繰り返している方は、「続かない方なのかもしれない」と考えて、採用を見送ることがあります。
転職回数には必ず目を通します。でも、それと同じくらい——むしろそれ以上に見ているのが、一つの職場にどれくらい勤めたかです。
目安は「3年以上」、でも理由が書いてあれば
各施設で3年以上働いていると、印象は良いです。
ただ、短くても理由が書いてあれば、印象が下がるのを防げます。
「夫の転勤にて退職」
このように納得できる理由が一言あるだけで、受け取り方はまったく変わります。逆に、短い在籍が理由なしに並んでいると、こちらは想像するしかありません。
結局、書類から読み取りたいのはこれです
しっかり看護に向き合ってきた経歴が、履歴書や職務経歴書から読み取れること。これに尽きます。
回数ではありません。一つひとつの職場で何をしてきたかが伝われば、転職回数が多くても、書類で落とされることはありません。
よくある質問(Q&A)
Q. 転職回数は何回までなら許容されますか?
A. 明確な上限はありません。私自身、7〜8回転職された方を採用しています。ただし、回数と同じくらい——むしろそれ以上に見ているのが、一つの職場にどれくらい勤めたかです。半年以内の退職を繰り返している方は、正直に言うと「続かない方かもしれない」と考えて見送ることがあります。逆に、短くても1年半以上勤めていれば、回数が多くても大きなマイナスにはなりません。
Q. 転職回数を少なく見せるために、職歴を省略してもいいですか?
A. 職歴の省略・虚偽記載は経歴詐称になります。採用後に発覚した場合、解雇や内定取り消しの理由になることがあるため、絶対に避けてください。正直に書いた上で、見せ方を工夫することに注力しましょう。
Q. 転職エージェント経由で応募したほうが有利ですか?
A. 転職回数が多い方には、エージェント経由に実際のメリットがあります。推薦文です。
転職回数の多さや、短期間で辞めた経緯。こうしたことをご自身で全部説明しようとすると、どうしても言い訳のように聞こえてしまうことがあります。その点、エージェントの担当者は、応募者の背景をポジティブな表現に整理して伝えてくれます。これは応募者にとって大きなメリットだと思います。
正直に言えば、推薦文を100%鵜呑みにはしません。多少は割り引いて読みます。それでも、推薦文の内容に納得できれば「会ってみよう」と思います。書類だけでは分からない部分を、補ってくれるからです。
推薦文が良くても、実際にお会いすると印象が違う方もいます。ただそれは相性の問題で、マイナスにはなりません。
書類の見せ方に不安がある方は、エージェントに相談してみる価値があります。一方で、自分のペースで求人を見たい、しつこい連絡は避けたいという方は、転職サイトから自分で応募する方法もあります。どちらが正解ということはないので、ご自身に合うほうを選んでください。
まとめ:転職回数は「見せ方」で武器になる
転職回数の多さは、書き方を工夫することで「多様な経験を持つ強み」に変えることができます。
- 転職ごとの「理由の一貫性」を作る
- 職務経歴書で「経験の積み上げ」を見せる
- 志望動機で「なぜ今ここなのか」を明確にする
- 短期在籍には一言理由を添える
採用担当者は「何回転職したか」よりも、「この人は自分の職場で長く活躍できるか」を見ています。書類はその判断材料。丁寧に準備することで、転職回数が多い看護師さんでも書類選考を突破できます。
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