転職を考える時に、最初に直面するのは「自分はどういう職場に勤めたいのだろう?」という悩み。
この問いに答えるためには、まず自分自身をしっかり理解することが必要です。
自己分析は、転職を成功させる上で非常に重要なプロセスです。
自分の強みと弱みを把握することで、キャリアの方向性を見定め、より良い環境への転職が可能となります。
自分の強みや弱みを知ることは、転職活動の「履歴書作成」「面接対策」にも役立ちます。
この記事を読むことで、看護師としての自分の強み・弱みを自己分析する方法がわかります。
具体的な方法について解説します。
強み・弱みとは?
強み・弱みとは、ざっくりいうと、「得意なこと・好きなこと・できること」と「苦手なこと・したくないこと・できないこと」。
この軸で以下の項目から深掘りしてみましょう。
経験を振り返る
まずは、これまでの看護師としての経験を振り返りましょう。
急性期病棟、回復期病棟、療養病棟、外来、訪問看護、施設など、どのような環境で働いてきたかをリストアップし、それぞれの場面で自分がどのように対応してきたのかを思い出します。
成功体験
成功した事例を振り返りましょう。
例えば、
・患者さんとのコミュニケーションがうまくいった場面
・緊急時に冷静に対応できたこと
・後輩指導でうまく導けた経験 など
自分の計画した看護がうまくいった場面でも良いですね。
困難な体験
困難に直面した経験を振り返りましょう。
・どのような場面で苦労したか
・なぜ難しかったのか
例えば、
「多重課題時に優先順位を組み立て直すのが苦手」
「急変時には気が動転して冷静な判断ができない」 など
その時に学んだことも振り返りましょう。
好きな業務・苦手な業務
好きな業務
- 楽しかった
- やりがいを感じた
- 夢中になれた
苦手な業務
- 苦痛だった
- もうやりたくない
- なるべく避けたい業務
例えば、「排泄介助はできればしたくない」「急変対応は苦手」「委員会活動は苦痛」などあれば挙げてみましょう。
スキルの洗い出し
自分のスキルの整理をしましょう。
以下の項目を参考に、あなたの持っているスキルをリストアップし、それぞれのスキルレベルも把握しておきましょう。
- 基本的な看護技術(採血や点滴、移乗や移送、排泄援助など)
- 術前術後の管理、ドレーン管理、モニタリング、急変対応
- 処置介助(清潔操作、胸腔穿刺、腹水穿刺、褥瘡処置など)
- 患者指導の経験(術後の指導、糖尿病の指導、退院指導など)
- リーダー経験、師長代行経験、主任経験、師長経験
- 後輩指導経験
- 講習をうけてとった認定(呼吸療法認定士など)
- クレーム対応経験 など
それぞれのスキルのレベルも把握しておきましょう。
例えば、「助言が必要」「自立」「指導ができる」などを指標に考えるとよいですよ。
フィードバックを活用する
自分では気づけない強みや弱みはたくさんあります。
周囲のフィードバックを活用をするのもよい方法です。
先輩に指導されている中でのフィードバックを思い出してもよいですし、同僚に聞いてみてもよいです。
TCL分析を活用する
この分析法は、自分の好きなことや得意なことをリストアップし、それらをTCLのどの要素に当てはまるかを考えることで、自分の強みを見つけ出す方法です。
この分析法をすることで、自分の強みがわかり、転職先探しのヒントとなります。
①自分が好きなこと、過去から現在に至るまでの好きだったことを思い浮かべ、動詞で最低50~100個書き出します。(付箋を使うと便利です)
例えば、「アセスメントするのが好き」「患者さんとゆっくりコミュニケーションをとるのが好き」「後輩指導で指導した内容で成長が見られた時が好き」など、「後輩指導の何か好きなのか」まで深掘りしましょう。
看護の業務内のことだけでなくて大丈夫です。
「友達とランチに行って雑談するのが好き」「散歩しながら色々考えるのが好き」など、なんでも大丈夫です。
②以下のカテゴリーに分類していきます。
多く分類されたカテゴリーがあなたの強みとなります。
■Thinking(考える力)
分析や研究をするのが好き、知らないことを調べるのが好きなど。
知的好奇心を満たす活動が好きな人。
分析するのが得意なので、患者状態のアセスメントが好きな人は急性期の病院の病棟やICUなど向いているかもしれません。
■Communication(伝える力)
人と話をするのが好き、みんなでワイワイするのが好きなど。
伝える力・人と繋がる力が強みになる仕事内容が向いています。
このポイントが高い人は、訪問看護なども向いているでしょう。
■Leadership(リーダーシップ力)
リーダーシップを取るのが好き、後輩指導が好きなど。
変化を起こす力・人を動かす力が強みになる仕事内容が向いています。
このポイントが高い人は管理職や新人・後輩指導、看護教員、認定看護師なども向いています。
このTCL分析は、森岡毅氏の著書「苦しかったときの話をしようか」という本で紹介されている方法です。森岡氏の娘さんが就職活動で悩んだ時に書いた本だそうです。
まとめ
自己分析は、転職活動の第一歩であり、成功への鍵となります。
強み・弱みは、今までの自分の経験を振り返り、得意なことや苦手なこと、現在の自分のスキルを明確にすることやTCL分析を用いて分析できます。
自分の強み・弱みを知ることは、転職活動だけでなく、自分の未来を決める際にも重要な指標となります。
あなたの強みと弱みを自己分析し、よりよい環境への転職を成功させてください。